D・カーネギー【道は開ける】
今日を精一杯生きよう。
この本は「いかにして悩みを解消するか」という問いに対しての在り方を教えてくれます。
過去に囚われず、未来を憂う事なく、実直にひたすらに今日を生きる。
「未来を無計画に」「今までの失敗を反省せず」生活するという意味ではありません。
無駄な執着を捨て「今有る事実を客観的に分析し、進歩・改善のため行動する」という事です。
他人を変える事は出来ません。自身の「考え方」を変える事こそが、日々の悩みから抜け出す答えだと筆者は言います。
本書は様々な実例をもとに多くの示唆を与えてくれますが、私が特に感じ入ったのは以下の項です。
- 生活を転換させる指針
- 100万ドルか手持ちの財産か
- 疲労や悩みの原因となる倦怠を追い払うには
「生活を転換させる指針」
安易なポジティブシンキングではなく、今ある自分・環境を「あるがまま」に受け入れた上で「【快活に】取り組む事」の効果を紹介していますが、私自身も今までの人生の中で実感しています。
「立場や責任」という感覚に惑わされ、難しい顔をして過ごしていないでしょうか。
本文中に【幸福に酔いしれているように振る舞いながら、同時に浮かぬ顔で沈み込んでいることは肉体的に不可能だということだ!】とあります。
「真剣に取り組んでいる事」と「気難しい表情」は無関係です。
「課題」と「悩み」を混同せず、解決するための方法を平易にとらえて分析することにより進むべき道が見えてきます。
同じ物事でも自身の感じ方次第で「陰」にも「陽」にも変化する不思議
筆者は「自分に平和をもたらすのは他ならぬ自分自身」と断言しています。
「100万ドルか手持ちの財産か」
極論と言っても良いくらいの例えで、今の自分自身に感謝せざるを得ない事に気付かさせます。
【自分の持っている信じがたい財産】である、目を、足を、家族を、お金と取引するだろうか?
「自分に備わっているものをほとんど顧慮せずに、いつも欠けているものについて考える」
目の覚める言葉です。
「疲労や悩みの原因となる倦怠を追い払うには」
楽しんでいる事は疲れない。ならば、やらなければならない事も楽しもう。
これは私が最も望んでいる生き方であり、願っている想いです。
我々の生きる現代、世の中は大きく変化を続けています。今後はそのスピードがさらに加速していくでしょう。
そんな時、あらゆる困難や課題に立ち向かって行くエネルギーの源に「楽しさ」があって欲しいと願うばかりです。
「道は開ける」は約70年前に書かれた本ですが、長い時を経ても本書の言葉は変わらない輝きを放っています。
未来を切り拓いて行くのは毎日の積み重ねです。悩んでいる暇はありません。