日常

【映画】アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち

嘘が真実で真実が嘘なのか。

原作はエドガー・アラン・ポーの小説「タール博士とフェザー教授の療法」

19世紀末のイギリス、精神科医学生のエドワードが実習経験を積むべく向かった精神科病棟を舞台に展開するサスペンスです。

最後の最後まで見る側の「正しさを疑わせる」居心地悪さがこの映画の楽しみ方ではないでしょうか。

視覚的に大掛かりな仕掛けやエフェクトはありません。それゆえに登場人物の訴えや会話の中にある機微に集中でき、自身の推理への没入感を得られます。

作中、「通常社会」においては混乱に陥るような場面の展開がありますが、目の前で起こる事象を全て自然に受け入れる開放された患者の姿が物語の流れを散らすことなく見せてくれる構成です。

私が精神科治療の歴史や倫理的考証について多く語ることは無理ですが、少なくとも改めてそれらのテーマについて「何らかの思いを考える」という映画の機能はしっかりと発揮されました。

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