ハロプロ

10th=Juice 武道館を経て春ツアーについてのアレコレ

春から初夏に向けて駆け抜けた景色

前回の武道館公演から3ヶ月というハイペース(振替公演という不可抗力)で今回の大舞台となりましたが、前回の武道館公演後に「Juice=Juice2022秋ツアーと武道館公演を経てメンバーの現在地を考える。」という形で【私が観て感じた】メンバーの立ち位置を書きました。今回の春ツアーも多くの新しい発見を得られた期間となり、「変化と成長の物語」が醍醐味の一つとして位置付けられている「アイドル/Juice=Juice」を自分の頭で整理するために、結節として【私が観て感じた】春ツアーの景色とメンバー像を綴って行きます。

ツアーについて

今回のツアーはJuice=Juice結成10周年として「10th=Juice」と銘打たれたタイトルが掲げられていますが、セットリストとしては「これまでの10年を振り返る」ではなく、10年という歴史を重ねた【今のJuice=Juice】を披露するツアーという位置付けに感じました。ステージから発せられるメッセージも前回が「新しい波」として「模索と成長」が象徴的だった事に対し今回は「結束と熟成」が見られたツアーのように思えます。それぞれのパフォーマンスや関係性の強化、安定感に加え、今、グループのメンバーが感じている「空気・カラー」が表出したJuice=Juiceを観ることができました。

ステージパフォーマンスの総合的な仕上がりはもちろんですが、副次的に「MCの面白さ」も定番化しつつあります。年下メンバーも昨年のツアー経験から「言いたい事のキャパシティ」が大きく広がり(特に前回ツアー遠慮がちだった有澤さん、石山さん、遠藤さん)今ツアー間は多くの名場面(迷場面)が生まれました。工藤さんの独特なMCは毎回その後に控えている井上さん、段原さん、植村さんの格好の「食材」として異彩を放っています。※MCについては各公演毎にまとめてあるので、それぞれの記事をご覧ください。

各メンバーについて

植村あかりさん:美しく奔放な「自由の女神」は今ツアーでも健在です。パフォーマンスに関しての「リーダー兼Juice=Juiceのフロントライン」である活躍はもちろんですが、MCでも(特に地方公演)長年培ったタイムリーなステージ感覚とヲタクに対する信頼から、「天才的な回答」を引き出す場面に何度も遭遇しました。自由でフラットなリーダーの気質は今のJuice=Juiceの空気そのままを表しています。

※ハロプロ各グループリーダーの多くは、自身の立場と裁量が最大化すると、その解放された個性のまま「若輩メンバーの自由なポジションに視点が回帰する」傾向があるように思えます(責務を理解しているからこそ)。どのグループも「サブリーダーや参謀役が優秀」なのも共通ですね。

段原瑠々さん:ソロイベント「RuRu Ballad」の大成功を経て、自身の求める道に対する「確信を得た」ように感じます。日々のブログでもメンバーはもとよりファンを含め関わる多くの人への「感謝と励まし」を伝える言葉がより多く見られるように感じるのは、彼女の内面が率直に発露されているからではないでしょうか。※その反動!?かもしれませんが、ファンに「等身大の自分」として語りかける場面も以前より多くなったように感じます。「可愛い瑠々ちゃん」現象とも言えるような…。

井上玲音さん:段原さん誕生日当日にブログインスタ共にれいるる2ショットを上げて【相棒】という明確なメッセージを発信していたのはシャイな井上さんのイメージからは珍しく感じ、個人的な驚きでした。そして、春ツアーの話題ではありませんが今シーズンの大きなトピックとして、ひなフェスにおいて「井上・入江」で披露した「明日テンキになあれ」が文字通り転機となったように思います。その萌芽は大きく成長し「Juice=Juiceの井上玲音」を自身の中にしっかりと落とし込めている今だからこそ、「こぶし魂」を素直に出せるようになったと感じているのは私だけでしょうか。その背景には植村さんと段原さんの強いバックアップがあったであろうことは想像に難くありません。(選曲にあたり入江さんによる「最適なカードを切る」勝負勘にも畏敬の念が…。)

工藤由愛さん:春ツアー各公演で既に工藤さん松永さん二人が掴みかけていた、後輩に示すパフォーマンスや精神的示唆を含めた【上位概念としての由愛里愛】が武道館公演によって「揺るぎないポジション」に昇華しました。同期コンビの称号が「カテゴリー」から「ブランド」にクラスチェンジした瞬間を目の当たりにできたことはヲタクとしても感慨深いものがあります。(今回のセットリストにある、由愛里愛がリードして入江/有澤/石山の5人で歌う「背伸び」も文脈的意義が強い)工藤さんと言えば「全力タコ少女」、ますますパワーアップしています。ダンスパフォーマンスや佇まいの美しい所作はさらに洗練された印象を受けました。歌唱表現においても多様なチャレンジが見られており毎公演の楽しみでもあります。そして、もはやMCの暴走は彼女のキラーコンテンツと言っていいでしょう。

松永里愛さん:パフォーマンスに関しては2年前の3flower加入時において既に背中で語るまでに達していたと言っても過言ではない松永さん。上述した「由愛里愛」という立場も確立した反面、自分の「在り方」に対しては内省している期間のように思えます。5月のブログ更新で 13日15日16日17日19日と断続的に心の揺らぎを開示していたり、また、自身が繰り返し発言している「17歳は変化の年」というのも「(ナイーブな性格故の)心情表明に関して防御的に指向してしまったセルフイメージ」からの解放を願っているようにも邪推が働いてしまいます。皆さんご承知の通り、どれもが謎かけ的であり解釈は万別なのですが春ツアーを通じて松永さんを見ていると「自分で規定した自分からのブレイクスルー」を訴えているように見えてなりません。大きな変化の前兆なのか、緩やかな受容へ向かうのか。今後も見守りたいテーマです。※センシティブな切り口なので改めて「私見」という注釈を差し込みます。

有澤一華さん:あらゆる意味で「ガチ」の人財ですね。今ツアー間「Future Smile」でヴァイオリンによる即興演奏を数多く披露してくれました。シーズン初期は即興に対して遠慮気味なチャレンジでしたが、公演を重ねるにつれて自由度が上がり終盤には毎公演100%でその時のオリジナルフレーズ演奏を聴くことができました。成長の勢いが止まりません。武道館では「Future Smile」から「全部賭けてGO!!」を繋ぐ武道館Ver.の変奏も任されています。有澤さんといえば「ガチヲタ出身」であることも外せません。「こちら側」の気持ちを理解している故の「気持ち悪い発言」も各公演MCで漏れ出る様子に毎回私もニヤニヤしていました。(賛辞です)

入江里咲さん:上述した井上さんとの「明日テンキになあれ」での活躍の背景にも、その要素が見え隠れする「甘えん坊なのにしっかり者」という相対的なキャラクターを見事に両立している入江さん。リーダーの植村さんと二人でUSJに行ったり、ハロ!モバ宣伝会議でグループの違う先輩との関係性をしっかり発信しているのも興味深い行動です。また外部にもその天才的外交センスは発揮されています。私立恵比寿中学の桜木心菜さんとは「52OSAKA~GirlsCastle~」での共演後に急接近したエピソードに驚いた人も多いのではないでしょうか(エビ中ライブも観覧)。八面六臂で人間関係を構築している様子は「凄腕エージェント」さながら。3flowerのバランサーはその活躍の場を広げ人間関係のHUBとしての役割が強化されています。原点回帰の3flowerピクニックも大切な思い出(今後も3flowerでお出かけ計画があるらしい。)

江端妃咲さん:新曲「プライド・ブライト」における「冒頭の歌割り」で段原さんの後を歌う大抜擢に彼女の「今」が象徴されました。他に代え難い声質と着実な成長を見せる歌唱力に加え、神秘的でスタイリッシュなビジュアルは、植村さんから→松永さん→江端さんと連なるJuice=Juiceにおける「クールビューティーの系譜」と言える気がします。その裏腹に人物像については、「4月8日石川公演MC」で暴露された井上さんからの行状報告が象徴しているように、上下を超越したメンバーへの接し方で盤石の地位を手に入れました笑。最新DVDマガジン(Vol.40)で衣装の背中に植村さんによって書かれた「万年反抗期」の文字や、「GIRLS BE AMBITIOUS」の江端さんパートの歌詞である「イタズラ好き」は彼女のキャラクターを端的に表現している言葉でしょう。

石山咲良さん:さくりんごの同期も、もうすぐ加入1周年、すっかりJuice=Juiceの雰囲気に馴染み自分らしさを解放してくれるようになりました。石山さんを語る上でまず最初に来るのがそのフリーダムすぎる発言でしょう。(その危うさは公式告知動画でもミュートされているほど)ビジュアルは「綺麗なお姉さん」然としていますが、MCでは「目をガン開き」「タオルをブン回す」など野生味溢れるワードチョイスが石山イズムです。「GIRLS BE AMBITIOUS」の石山さんパート「喋らなければ美人」は、残念ながら!?正鵠を得る表現なんでしょうね笑。植村さんによる「さくらち」などの呼称はありますが決定的な呼び名が定まっていないことに関しては各メンバーの発言を注視している所です。※あと、最近の「いちさく界隈」では石山さんの方が有澤さんに対するラブ度が高い傾向にある事も見逃せません。

遠藤彩加里さん:ばぶりんご。本人は否定していますが植村さん、井上さん段原さんの上3人が言及しているように最年少として求められる役割に綺麗に収まっている遠藤さん。新メンバーの川嶋さんを迎えていよいよ先輩となりますが、最年少である事は変わりません(川嶋さんは1歳上)。段原さんの語る通り「かわいいみんなの妹なので、変わらず甘えんぼのそのままでいてね」の願いはヲタクも同様かもしれません。と、ここまで書きましたが、ビジュアルについてはメイクの上達も相まってどんどん大人っぽく綺麗になっています。強めな仕上がりのステージメイクを見る回数も増えました。優しく控えめな性格(同期の石山さんに対しては時々毒りんごになるらしい…)の遠藤さんがどのような「先輩」になって行くのか、「新メンバー1人加入」の川嶋さんとの関係性も楽しみです。※MC中にテンションが上がり突如発する北海道訛りも最近の注目ポイントです。

川嶋美楓さん:5月23日午後9時にSNS界隈が騒然となった「新メンバー加入発表」、Juice=Juiceにはハロプロ研修生から川嶋美楓さんの加入が発表されました。今年のハロプロ研修生実力診断テストで「ベストパフォーマンス賞」を受賞した川嶋さんの加入により、研修生時代のBP賞タイトルホルダーが3人(段原さん(二度受賞)、松永さん)となったのもJuice=Juiceがグループとして向かうベクトルを象徴しているように思えます。研修生発表会での彼女を見たことがある人はご存知かと思いますが力強く安定的なパフォーマンスはもちろん、クセの強いMCも彼女の魅力の一つです。工藤さん、石山さんに加えて川嶋さんという「トークの飛び道具」を手に入れたJuice=Juiceはメインの歌とダンスに加えてMCでも楽しみの幅がさらに広がる事と思います。

あとがき

冒頭にも書いた通り【私が観て感じた】この春ツアー期間における思いの丈を(好き勝手に)綴らせていただきました。皆さんそれぞれの中にあるJuice=Juiceに対する気持ちとの「交点」が少しでも見つかればこのブログの存在が供養されます。何卒。

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