ハロプロ

Juice=Juice2022秋ツアーと武道館公演を経てメンバーの現在地を考える。

Nouvelle Vagueとはなんだったのか。

Juice=Juiceに求められた「新しい波」とは。それはステージから観客が読み取る以上に、表現者としてメンバーに突きつけられた課題のように思えます。オリジナルメンバーが同期としてスタートしたJuice=Juiceも卒業・加入を繰り返し初期メンバーは植村あかりさん一人になりました。必然そこにはチームとしての力を発揮すべく発生した組織的なレイヤー(階層)が可視化されます。

※組織における上下視点については深く考察されている浅生担氏のnoteがとても興味深く、一読の価値がありおすすめです。(アンジュルムとJuice=Juice徹底比較決定版〜「上手くいくグループ」の「黄金比ピラミッド」を焦点に〜 ハロプログループにおける「申し子」メンについての一考察王子と神獣と太公望〜Juice=Juice封神演義絵図〜

ここではツアーを通して植村あかりリーダーからなる現体制10名がそれぞれ向き合った「やるべきこと、成し遂げたいこと」などをそれぞれの階層毎に主に水平視点で(特出するものは上下に交差させて)推測(妄想)し、放言する駄文を綴らせてもらいます。

各階層と役割イメージ

植村あかり:リーダー/見守る人/包み込む人/Juice=Juiceのこれまでを全て知る現役唯一の人
段原留々・井上玲音(るるれい):サブリーダー(段)/ハイキャリア・ハイスキル保持者
チームのメンター
工藤由愛・松永里愛(由愛里愛):自身の盤石を希求して止まない中堅
有澤一華・入江里咲・江端妃咲(3flower):「自分らしさ」を広げる試行錯誤の日々
石山咲良・遠藤彩加里(さくりんご):歩き始めて自分の前に広がる景色を知る

植村あかりさん:なんとなく感じている人も多いかもしれませんが、彼女が今見ているフェーズ(局面)は【恩返しの期間】なのではないでしょうか。自分を大好きでいてくれている人、自分を大切にしてくれた人への愛が日々深まっている様子が秋ツアー各公演からも感じられました。Juice=Juice内で自分が「やらなくても良いこと」を得意な断捨離に準(なぞら)えて、るるれい・由愛里愛にどんどん託しながらも、これまでのJuice=Juiceの全てを知っている植村さんにしか表現できない事に集中しているようにも思えます。武道館公演の本当に最後、ステージを降りる際に段原さんが手を差し出し植村さんがそれを受けて楽しそうに階段を降りる後ろ姿は象徴的でした。

段原留々さん:彼女も「私のやるべき事」を深く理解している人だと思います。高木さん脱退後の多くの負担を、その強すぎる責任感と優しさ故に背負ってくれた人。昨年5月に稲場愛香さんが残していった色々をしっかりと咀嚼・翻訳してJuice=Juiceに還元しているのも段原さんだと思います。一方彼女が「成し遂げたいこと」もハッキリとした形になりつつありますね。先日発表された「RuRu Ballad」もその一つでしょう。ストイックな職人という一面も自身の中にうまく落とし込めるようになったのかも知れません。

井上玲音さん:いきなり暴論ですが「今、絶対、段原さんに必要な人」ではないでしょうか。段原さんが段原でいられる多くを井上さんが握っているように感じてなりません。二人の性格上、特に密度の高い「ヲタクの喜ぶカップリング場面」は稀にしか見られませんが、フラットに背中を合わせられる二人の存在が精神・技術共にJuice=Juiceの屋台骨になっている事実は多くの人が感じていると思います。そして、井上さんトークの緊要な場面で折に触れ現れる「おばあちゃん目線れいれい」後輩たちの努力と成長に目を細める井上さんが見ている景色は「こぶし魂のそれから」を選択した彼女のJuice=Juiceに対する覚悟に他なりません。

工藤由愛さん:「とにかく伝えたい人」ですよね。全力タコ少女。その突進力は「安定」に向かうように設計された人間の恒常性を、ことあるごとに喝破してくれる起爆剤です。繰り返し「成長」を宣言する彼女の挑戦する姿は後輩へのお手本として、先輩へのメッセージとしてしっかりと機能しています。道産子魂を引き継いだ先輩の歌唱パートを目覚ましい成長で見せつけながらも、時折現れる荒削りさが「魅力」として昇華されるのは工藤さんの人間性によるところでしょう。映像配信されている北海道岩見沢公演の「生まれたてのBaby Love」で披露されたフェイクは今ツアー屈指のエポックメイキングでした。武道館公演ではついに大人組として上5人に由愛里愛が編入されたことも今後の起点となるでしょう。

松永里愛さん:一部界隈で絶大な支持を得る「由愛里愛」の役割も今後大きく進化すると思われます。それは運命的に発生した上述の「るるれい」がチーム内の当事者として体感的に理解しやすく、応用の幅が広いロールモデルとして現在進行形で存在しているためです(個性の類型はそれぞれ全く別物ですが笑)。松永さんが二人を称する際に用いる「るるさん・れいさん」もその端緒でしょう。また、観念的な表現になりますが「自分の中身を覗かれたくないはずなのに漏れ出る松永イズム」は次の段階に入ったのではないでしょうか。そこには後述する有澤さんの存在が大きいと感じています。有澤さんの技術と知識に裏打ちされた音楽的背景は、とりわけ松永さん自身が大切にしている「音楽」へのスタンスにおいてシンパシーを感じる大きな要因でしょう。後輩有澤という面白い関係性が構築されました。そしてパフォーマンスについては歌唱・ダンス共に3flowerとさくりんごに背中を見せて考えさせるポジションかと。

有澤一華さん:表現者として爆発的な成長を見せて期待に大きく応えたメンバーです。上にも書きましたが「技術と知識」という成長するための基盤として貴重な資源を多く持つ人です。Juice=Juiceに加入して既に1年半以上経っていますが、変わらずある意味「こっち側視点」でいてくれますね。その愛らしい隙の多さは3flower最年長というポジションも相まって3人の潤滑剤として機能しているように見えます。他メンバーが時折言及する「なんだかんだで大人である」も今後エピソードが増えそうで期待している一面です。研修生同期「いちさく」の存在は3flowerとさくりんごの関係性に大きく寄与していると思います。

入江里咲さん:先日配信された個性と半生を振り返る配信企画「千夜一夜」で知られたように、シンプルに「聡明な人」であり「ガッツと努力の人」でもあります。そしていい意味で「天性の人たらし」あざといの才能に恵まれて稲場愛香さん卒業後に「3代目あざかわ」を襲名(非公式?)されました。穏やかでありながら明晰な観察力は3 flowerのバランサーとして重要な役割を担っています。Juice=Juice初のオーディション出身者として遠藤さんの安心に繋がる存在としても重要です。パフォーマンスも「安心して順当な成長を見守ることができる人」であり今ツアーを経て綺麗な右肩上がりグラフを描けるような仕上がりだったのではないでしょうか。※老舗の段原美容室に続き新規に入江美容室も開店してヘアアレンジでも大活躍

江端妃咲さん:3flowerの先鋭的な存在です。天性のビジュアルと愛され力(かまちょ)で先輩方の懐に入るJuice=Juiceの愛玩犬であり、その自覚もあるようです。ホールラストの三郷公演で自身の「悪ガキ感」を受け入れてくれている優しいメンバーに感謝しながら泣き出した場面はその象徴でしょう。パフォーマンスに対しては真摯でストイックであり納得のいかなさに泣いてしまうこともしばしば。メイクも大好きで研究を怠らない姿はアイドルの自分をしっかり楽しんでいることが伝わってきます。特徴的なエッジのある声質は今後のJuice=Juiceでどのように活躍していくのか楽しみです。ダンスの表現と表情は3flowerで一番引き出しが多いのではないでしょうか。

石山咲良さん:今現在、ふもとの階層となるさくりんご。まだまだ「新メンバー感」が抜けきらず先輩との交流も手探り状態ですが研修生31期の同期コンビ「いちさく」として有澤さんとは組織の理論を超えて盟友となっております。わかりやすいハッキリとしたビジュアルは既に綺麗なお姉さんとしての定評もあり長身の特性も相まって強みを活かせるベクトルにシフトしていくのでしょうか。最近はかなりマイペースな性格であることも知られてきました。今後増えるであろう面白エピソードに期待しています。

遠藤彩加里さん:末っ子の役割を理解し始めた遠藤さん。「自分がここに居て良いんだ」という自覚も芽生えてきているように思います。歳の離れた同期(5歳差)である石山さんとの関係は、ある時は同期、ある時はお姉ちゃんと上手に切り替えるかわいらしさもこちらに見せてくれるようになりました。バレエをバックボーンとする綺麗な姿勢と最年少ながらジュース内で1、2を争う長身を生かしたパフォーマンスは既にしっかりとした存在感があります。

ここまで「私自身が感じた」メンバーに対する現在の印象を書いてきましたが、メンバー自身がどう思っているのかは各種媒体や現場MCでの発言などで言及した以外は推して知る事はできません。読んでいただいた方にもそれぞれのメンバーイメージが当然ありますので、これを読んでどのように思ったかを対比させることにより皆さんの中のメンバーに対する解像度が上がることにつながれば幸甚です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です