読書

片田珠美「他人を攻撃せずにはいられない人」

すぐそこに居るかもしれない恐怖。奴らが守りたい「自分自身」の餌食にならないための処方箋。

その相手は?職場、学校、友人、恋人、家族…。あらゆる隣人に可能性があるでしょう。

読後はシンプルに「恐怖」を覚えました。後半には対処法なども解説されていますが、何より相手に違和感を感じたら「距離をとる」ことが大切です。

攻撃性の高い人の特徴として

  • 自分とは違う価値観を受け入れられない人
  • 自己愛の塊

があげられます。人間としての未成熟と弱さの発露とも言えるでしょう。

この強烈な被害にあっている人が自ら抜け出すためには?

「相手の攻撃性を見極める」としています。解説の文章としても少々厳しい表現で伝えていますが、自分を守るために客観的な視点を持つ難しさを精神科医である著者は強く感じている故の言葉であると思います。

優しい人たちは攻撃性の高い相手にほのかな「成長」や「理解」を求めていますが、その思考は客観的ではなくむしろ自分を危険に追い込む行為と言え流でしょう。

対処の立ち位置は「相手の変化を期待してはいけない」です。攻撃性の強い人間は自身が抱えている自己愛と恐怖心から相手を攻撃します。自分は悪く無い、自分に責任は無いと思いたいのです。

今現在、攻撃性の高い人の被害に遭っていると心当たりがある場合は何よりも最優先に自分を守ってください。

攻撃性の高い人が「恋人」や「家族」であっても「自分自身」が壊れてしまっては意味がありません。自身が生きて幸せになるためにどうすれば良いのか、冷静に客観的に理解する必要があります。

相手との関係性に懸念を感じているならば、この本は心強い手引きになってくれるでしょう。

この類の本は常に自分を省みることもしなければなりません。0–100の善悪ではなく自分の中にも多かれ少なかれあるはずだと感じるバランス感覚が、自分自身や社会、コミュニティーを見通す大きな手がかりになるでしょう。

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