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ライダー・キャロル「バレットジャーナル人生を変えるノート術」

この本は、日々煩雑になりがちな「タスク管理」の指南書ではありません。この本を読んで活用することにより「自分が人生で何を求めているか」を知ることができるノート術です。

日々様々なタスクに追われる現代人ですが、それぞれのタスクをノートに書き込むことにより「覚えておこう」というプレッシャーから解放され、頭の中の荷物が降りて楽になります。その書き込みが「どこにあるか」を簡単にわかりやすくしてくれるのがこの「バレットジャーナル」です。

あえてアナログなノートに直接「手書き」することにより「書き込む価値があるかどうか」が精査されるので、本当に必要な事柄を取り出せる考え方になっていくでしょう。

その様々な書き込みを「自分を振り返る内省の時間」に整理することにより自分の求めている多くの事柄が見えて来ます。

この本の構成は

  • 機能について
  • セットアップ
  • 使い方
  • なぜ使うのか

となっており、前半の機能・セットアップガイダンスを理解すると簡単に始めることができます。

この本の重要な部分は「ノート術そのもの」以上に後半の多くのページを使って語られている「なぜ使うのか?」における考察です。

外側の環境や刺激で左右されない生き方を見つける方法をバレットジャーナルに書き込むことにより作り上げていく手順とも言えるでしょう。

そこには「大きな意識改革」や「壮大な計画」はありません。

  • コントロールできないことを手放す。
  • 日々ほんの少しの「改善」を積み重ねて変化を起こす。
  • 優先順位を決めて締め切りを設定する。
  • 様々な計画を実現させるための「小さな目標」を見つける
  • 「必要ない」を判断されたものを削ぎ落とす。

これらを自然体で無理なく消化できるように導くための考え方を伝えています。

日常のちょっとした忘備タスクを達成して、書き込んだ記事に完了チェックを入れると小さな達成感を得られ、成長を感じることでしょう。バレットジャーナルを使っている楽しさがわかる瞬間でもあります。

巻末の訳者解説には、単なるノート術ではなく著者の「哲学的な思考のエッセンスが盛り込んである」とあるように、読んでいても「7つの習慣」「マインドフルネス」「ポジティブ思考」「アドラー心理学」などの背景が感じられます。

このノート術は使えば使うほど「自分を深く知る地図」になっていきます。自分が理解しているようで見えていない「心が求めている生き方」を可視化させてくれる強力なツールになってくれるでしょう。

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