
草薙龍瞬「反応しない練習」
日々の「妄想」に惑わされずシンプルに「やるべき事」に向き合う。ブッダが教えてくれる心の整頓術
この本を読み終えると悩みが無くなるというわけではありません。表題にあるように「練習」を繰り返して「悩みに翻弄される人生」から「自分に納得できる人生」へ踏み出すための「術(すべ)」を教えてくれます。
日々生活する中で心はさまざまな「反応」をします。心を行き交う欲求や執着や妄想が「あるもの」として受け入れる。そして「反応」していることを理解することが始まりです。
「反応」しないことを意識できるように練習していると、何かに「集中」している時は気付きませんが「集中しようとしている」時は本当に様々な「考え」が頭をよぎることが自覚できます。
そして外からの刺激に対して【良い・悪い・好き・嫌い】をやめることをしましょう。「判断」しない。「判断」して決めつけてしまうというのは簡単で楽チンですがその安直さに陥ってはいけません。
心を安定させるには「判断」という決めつけをやめて「事実の認識」に意識を向けて考えるようにします。
また煩悩を俯瞰して今の自分を理解しましょう。煩悩を捨てることは我々のような一般人には現実的な発想ではありません。煩悩があることを受け入れて認識し煩悩と現実を混ぜ合わせないよう整理することが大切です。
しかし欲求については「快」を追求することをこの本では否定していません。むしろより良い幸せを求めるためには「快」を大切にすることを伝えています。欲も活かしようなのでしょう。
生きていく上で避けられない「競争」についても解説されています。他人と比較して錯覚している「勝ち」も「負け」もありません。あるのは「なすべき事を努力する自分」だけです。
「何に悩んでいるか」は百人百様です。
心が「反応」しないよう、事実を見極めることを繰り返して練習します。
自分の人生に「納得」することを目標に。
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