
「仕事2.0人生100年時代の変身力」
内容は難しくありません。今の日本における「働く仕組み」とこれからの「働き方」をわかりやすく解説してくれる一冊です。
人によっては所々に耳馴染みの薄いカタカナやアルファベットが出てきますが、読み込んでいると感覚的に理解することが出来ます。
筆者が言う本の全体像は「学びと仕事が一体化した働き方」です。
前半は現代における「日本型雇用」の限界、その問題点と分析を。
中盤は様々なスタイルの「働き方」をしている個人の事例紹介、企業の取り組みについてや今後の方向性への在り方について。
後半はこれからの「大人の学び」について。生き方や働き方を自分でデザインする考え方をまとめています。
読み終えての感想として「先の読めない現代社会に希望を得るヒントが得られる一冊」でした。
上に書いたとおり、確かに前半部分は現代日本の「働き方」に対する変化を求める内容で、問題点を読み進めていくと少し不安を感じます。
しかし中盤から後半にかけて、本のタイトルにもある「変身」に対する意識を持つことが出来ると同時に、学ぶ事へのやる気と楽しさを喚起してくれます。
一口に「学び」と言っても専門性の高い勉強だけではなく、今の自分の立場・能力を生かした身近な「学び」もたくさんあります。
背伸びをしない身の丈に合った「学び」から始めるのが成長を実感する初めの一歩です。
最新と言われる技術や知識が過去の物になるスピードが早い今の時代、学習で必要なのは「学び方を学ぶ」「問いの立てる力」であると筆者は綴っています。
そして大人の学びについては「体験総量を上げること」として知識の収集だけでは無く現場での実践や行動にこそ有ると。
AIの発達により知識(情報)や計算、統計などの分野は人間から機械にその役割が移行しています。
機械が出来ない、人間だからできる「なんでだろう」「こうしたい」を具体化する方法を考える力を養う学びが必要でしょう。
人間の持つ様々な可能性を十分に発揮する未来
仕事、学び、挑戦
変化を続ける「中年」として未来への勇気をもらいました。